熱電対(温度センサー)の温度誤差チェック
お客様より
「どうも窯を焚いてて、温度表示が狂っている感じがする。
温度計と3本のR熱電対の温度チェックをしてほしい。」
と依頼有りました。
いつもと同じ様に窯焚きをしていても、
溶けが悪かったりすることが続くと
おかしい?くるってきた?と感じます。
あい工房では、記録計を使い温度誤差をチェックします。
まずは、切れていないかの通電チェック
その後、
実際に窯の3個の穴に熱電対3本を差込み、本焼き温度まで14時間かけて焚いて測定します。
案外時間がかかります。
記録計には数秒おきに点で表示され
窯本体設定温度の熱電対の上昇にそって、依頼の熱電対3本の温度が上昇していけば大きな誤差がない証明になります。
窯本体設定温度の熱電対は 1250℃(青色)
① (紫色) 1260℃
② (赤色) 1240℃
③ (緑色) 1220℃でした。
10℃~30℃の誤差がある事がわかりました
①の熱電対は10℃高く表示し1250℃まで上げたと思っていたが
実際は1240℃だったなら釉薬の溶けが悪かったのもうなずけます。
怖いのは
③の熱電対は30℃低く表示し1250℃まで上げたと思っていたのが
実際は1280℃で釉薬がダラダラに溶けてしまうことになります。
1200℃以上にになると10℃の差が溶ける溶けないに左右されます。
あい工房では、正確な温度を表示するよう熱電対を修理する事も出来ます。
もちろん修理費が発生します。
しかし修理費が・・・と思う方は、くるいを理解して窯焚きをすれば良いのです。
誤差があるならばそれを考慮して焚く、考えるのが手間になるなら直す選択を。
お客様はくるいの幅を知り、大幅におかしいわけではないことにほっとしていました。
薪窯の焚き方にまた工夫をするそうです。
最近どうも溶け方が以前と違うな!と感じたときは熱電対と温度計の点検をお奨めします。
あい工房HPへ
検査点検:綿貫克彦
投稿:綿貫静香
関連記事